今年作った保存食をふり返りつつ、食してみての感想やその後の変化の様子などを書き留めておこうと思います。
保存食の楽しいところは季節と連動しているところ。
旬の食材には香り、手触り、色彩いずれもに力強さがあるような気がします。
一年を通して、台所にいながら季節の訪れを楽しむことができました。
では、季節ごとにふり返ってみます。
***
春間近の3月、まず作ったのが甘夏のマーマレードです。

マーマレードは初の試み。
皮の白い部分を取り除いたり、千切りにしたりの下準備にけっこう時間がかかったこと、
煮込み時間に2、3時間を要し、下準備から数えると全部で4時間半くらいかかったことに驚きました。
ずいぶん緩めのジャムになったのは水の量が多かったせいのようで、のちに再挑戦して好みの硬さになりました。
苦めのマーマレードです。
トーストにつけたり、ヨーグルトにのせたりしているとわりとすぐに食べきってしまい、店に甘夏があるうちに追加分もと何度か作りました。
来年も甘夏がお目見えしたらまた作りたいと思います。
**
梅雨入り間近の6月。
6月は保存食の食材が目白押しに登場する月です。
まず新にんにく。

味噌漬けとオリーブオイル漬け、醤油漬けの3種類を作りました。
漬けてから1か月くらいたつとにんにくの香りが味噌、オリーブオイル、醤油、それぞれにしみこんできます。
にんにく味噌はそのままきゅうりにつけて食べると最高に美味。
だんだん味噌がなくなってきたのでにんにくはそのまま残して味噌を追加し、味噌床ならぬにんにく床のようにして使っています。
にんにくオリーブオイルはペペロンチーノに、にんにく醤油はチャーハンや肉の炒め物によく合います。
漬けこんだにんにくを刻んでいれるのもよし。
コクのある味付けにしたいときにちょうどいい塩梅に仕上げてくれる調味料です。
下の写真は半年後のにんにく醤油。にんにくがずいぶん茶色くなりました。
*
梅酒。

これは漬けてすぐの頃。
半年たった今はこんな色になりました。
デザートのように甘いお酒です。
このままでもおいしいし、お湯で1:1に割って飲むのもおいしい。
梅酒にお湯を注ぐと、グラスの中でゆらりとした模様ができるのがきれいです。
*
6月中旬にはらっきょう。
らっきょうもマーマレードに匹敵するくらい下準備に根気がいるのですが、1か月後に甘すぎずにぴりっと辛さのあるらっきょうを食すると、下準備のことは全部忘れて作ってよかったという気持ちになります。
また来年作るときには下準備にひーひー言うことになるのだろうけれど、おいしいものを食べたい一心で作るのだから仕方ない。
食い意地が張っていることがひょんなところで役立ちました。
我が家では約700gのらっきょうを、梅雨入り前に仕込み、1か月後の夏が始まる頃から食べ始め、秋の彼岸の頃に食べ終わるというペースでした。
*
6月下旬には赤しそジュース。
梅干し用に売られている生の赤しそを使って作ります。
お酢の酸味とかすかな甘みが暑い夏の飲み物にちょうどよくて、赤しそ2袋使って4リットルくらい作り、夏のあいだじゅうこれを飲んでいました。
ソーダで割りにしたときの薄赤紫色がきれいです。
**
夏の少し手前の7月上旬にはあんずジャムとあんず酒。
右がジャム、左はあんず酒です。
あんずジャムはとにかく酸っぱいのですが、そこが良い。
マーマレードの苦さもそうだけど、ジャムはその果物特有の味が際立っているほうがおいしく感じます。
ジャムの中ではたぶん一番くらいに簡単に作れるのも嬉しい。
来年もあんずの時期を逃さないようにしなくては(とても短いのでうっかりしてると過ぎ去ってしまうのです)!
あんず酒は、5か月後のいまはこんな色になりました↑
タネだけで香りがつくのかなと疑問でしたが、ちゃんとあんずの香りのお酒になりました。
甘さの中に渋さがある複雑な味。
なんとなくうがい薬(茶色くて甘いの)の味に似ているような…
少し渋みが強いのは材料がタネだけだからなのかもしれず、果肉部分も漬けこんだらもう少しまろやかな味になるんだろうか。
こちらは来年も作るかどうかは微妙なところです。
**
夏、8月にはきゅうりの甘醤油漬。
暑くて食欲がない時でもこれは箸がすすみました。
夏はきゅうりがおいしいからたくさん買いたくなるけど、案外足がはやいのが悩みでした。
来夏はこの甘醤油漬けレシピがあるので大量きゅうりも恐れることなしです。
**
秋、10月にはいちじくジャム。
夏のいちじくは高嶺の花(な価格)ですが、秋のいちじくは親しげに声をかけられそうな雰囲気。
いちじくの独特の味と香り(ちょっとシナモンぽいような)が好きで、生いちじくもドライいちじくも大好物。
ジャムは初試みでしたがこれもまた好みの味でした。
無糖のヨーグルトとよく合います。
*
10月中旬にはマルメロシロップ。
上の写真は漬けてすぐの頃。下の写真は2か月後です。
マルメロがずいぶん小さくなりました。そろそろ飲み頃。
マルメロシロップが完成する頃には空気が冷たくカラカラになっていて、のど痛予防にお湯割りにして飲むのにちょうどよいのです。
**
そして冬のいま。
先日、カフェ・ア・ラ・ティエンヌ (CAFE A LA TIENNE)という日比谷公園近くの喫茶店で食べた厚切りトースト。
このトーストに添えられていたりんごジャムがとてもおいしかった!
いままでりんごジャムって甘くて薄い味という印象で、生のりんごの良さは残らないものなんだなあと思っていたのですが、この店のは違いました!
りんごのしゃきっとした甘さがそのままジャムになっています(自家製だそうです)。
家で作れないものだろうかとぼんやり思っているのですが、頭の中で作るだけでまだ実行に移しておらず。
とだらだらしていたら親戚からりんごがたくさん届きました!おお、テレパシー!?
この冬はりんごジャムかな。
***
保存食作りは、ジャムのように出来上がってすぐ食べられるものでも煮込むのに2、3時間かかり、
醤油やお酒に漬け込むタイプのものでは2、3か月かかります。
食べられるようになる頃には次の季節に変わっているものも。
作るときには「これが完成する頃は秋だな」と思い、食べるときには作っていた夏を思う。
時間が料理を完成させてくれるようで、時のたつのが楽しみになる、そこが保存食作りのおもしろいところかな、と思います。
最近のコメント